夏の配管工事は、熱中症との戦いでもあります。屋外作業や密閉空間での作業が多い私たちにとって、熱中症対策は技術力と同じくらい重要なスキルです。

基本の熱中症対策
水分補給の科学的アプローチ 単純に水を飲めば良いというものではありません。私たちは「15分に1回、コップ1杯の水分補給」を基本ルールとしています。また、塩分とミネラルの補給も重要で、市販のスポーツドリンクを薄めたものや、経口補水液を現場に常備しています。
汗をかく量に応じて、1日3〜5リットルの水分補給が必要になることもあります。のどの渇きを感じる前に飲むことが重要です。
体温調節の工夫 作業着には吸汗速乾素材を使用し、首周りを冷やすクールタオルを活用しています。最近では、空調服(ファン付きの作業着)も導入し、体温上昇を抑制しています。
作業時間の調整
早朝・夕方作業の活用 可能な限り、気温の低い早朝(5時〜9時)や夕方(17時以降)に作業を集中させています。日中の最も暑い時間帯(11時〜15時)は、室内作業や事務作業に充てることで、熱中症リスクを軽減しています。
こまめな休憩の重要性 「30分作業、10分休憩」を基本サイクルとしています。休憩時は日陰や冷房の効いた場所で体を冷やし、水分補給を行います。「まだ大丈夫」と思っても、必ず休憩を取るルールを徹底しています。
現場での具体的な対策
日陰の確保 屋外作業では、テントやタープを設置して日陰を作ります。また、作業場所の近くに休憩用の涼しい場所を必ず設けています。車のエアコンをつけっぱなしにして、緊急時の避難場所としても活用しています。
服装の工夫 長袖・長ズボンで直射日光を避けつつ、通気性の良い素材を選んでいます。帽子やヘルメット内にも冷却シートを装着し、首筋の日焼けを防ぐためのタオルも必須アイテムです。
道具の温度管理 金属製の道具は直射日光で非常に高温になります。使用前に水をかけて冷やしたり、日陰に保管したりすることで、火傷を防いでいます。
体調管理のポイント
前夜からの準備 熱中症対策は作業当日だけでなく、前日の夜から始まります。十分な睡眠、アルコールの摂取を控える、朝食をしっかり取るなど、体調管理が重要です。
体調チェック 毎朝、体温・血圧・体重を測定し、前日との変化をチェックしています。わずかな体調の変化も見逃さないようにしています。
仲間同士での声かけ 現場では、お互いの体調を気遣い合います。「顔色が悪い」「汗のかき方がおかしい」など、客観的な判断で声をかけ合うことが、重大な事故を防ぐことにつながります。
緊急時の対応
熱中症の初期症状 めまい、立ちくらみ、筋肉のけいれん、頭痛、吐き気などの症状が現れたら、すぐに作業を中止します。「少し休めば大丈夫」は危険な考えです。
応急処置の手順
- 涼しい場所へ移動
- 衣服を緩め、体を冷やす
- 水分・塩分の補給
- 意識がない場合は救急車を呼ぶ
この手順を全スタッフが覚えており、定期的に訓練も実施しています。
会社としての取り組み
設備投資 各現場に冷却機器、大容量の冷蔵庫、緊急用の医薬品を配備しています。また、全車両にAEDを搭載し、緊急時に備えています。
教育・訓練 毎年、熱中症対策の講習会を実施し、最新の知識と対処法を学んでいます。また、救急救命講習も定期的に受講しています。
労働環境の改善 作業時間の短縮、休憩時間の確保、涼しい休憩場所の整備など、働きやすい環境づくりに継続的に取り組んでいます。
最後に
熱中症対策は、個人の努力だけでなく、チーム全体で取り組む必要があります。「安全第一」の精神で、お互いを気遣い合いながら作業することが、事故のない現場づくりにつながります。
夏の厳しい現場でも、適切な対策を講じれば安全に作業できます。これから配管工を目指す方も、しっかりとした熱中症対策を学び、安全な現場作りに貢献してください。
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