地震や台風などの自然災害時に、配管トラブルが発生することがあります。プロが駆けつけるまでの間、自分でできる応急処置を覚えておくことで、被害を最小限に抑えることができます。
基本の準備:常備しておきたいもの
緊急時の必需品
- 止水栓を閉めるための工具(ウォーターポンププライヤー)
- 応急用の配管テープ(自己融着テープ)
- ビニール袋とタオル
- 懐中電灯(停電時の作業用)
- 防水用のビニールシート
これらは災害時に限らず、日常的に準備しておくことをお勧めします。
水漏れ時の応急処置
小さな亀裂からの水漏れ
- まず水道メーターの近くにある止水栓を閉める
- 亀裂部分の水分を完全に拭き取る
- 自己融着テープを亀裂部分に巻き付ける
- さらに防水テープで補強する
接続部分からの水漏れ
- 止水栓を閉める
- 接続部分を雑巾やタオルで覆う
- ビニール袋をかぶせて、水の飛散を防ぐ
- 可能であれば、接続部分を手で軽く締める
水道管の凍結・破裂時の対処
凍結の予防 災害時は停電により暖房が使えないことがあります。水道管の凍結を防ぐため、蛇口から少量の水を流し続けることが効果的です。
凍結してしまった場合
- 凍結部分にタオルを巻く
- その上からぬるま湯をかけて、ゆっくり解凍する
- 急激な温度変化は配管破裂の原因になるので、お湯は使わない
破裂してしまった場合
- 速やかに止水栓を閉める
- 破裂部分をタオルで覆い、ビニール袋をかぶせる
- 電気系統から水を遠ざける
- 専門業者に連絡する
地震時の特別な注意点
地震直後の点検項目
- 屋外の配管に異常がないか確認
- 室内の水回りで水漏れがないか確認
- 給湯器やボイラーの配管に異常がないか確認
- 異臭がしないか確認
ガス配管の注意点 ガス臭がした場合は、以下の対処を行ってください:
- 火気を絶対に使用しない
- 換気扇も使わない(スイッチの火花が危険)
- 窓を開けて自然換気
- ガス会社に連絡
- 屋外の安全な場所に避難
台風・豪雨時の対処
雨水の侵入防止
- 排水溝の詰まりを除去する
- 雨水の侵入口をビニールシートで覆う
- 土のうやビニール袋を使って浸水を防ぐ
排水管の逆流対策 大雨時は排水管から水が逆流することがあります。この場合の対処法:
- 排水口に重いビニール袋を置いて逆流を防ぐ
- 浴室や洗面所の排水口には栓をする
- 土のうで建物への浸水を防ぐ
- 電気系統が濡れないよう注意する
停電時の配管対策
給湯器の対応 停電時は給湯器が使用できません:
- ガス給湯器の場合、ガス栓を閉める
- 電気温水器の場合、電源を切る
- 凍結防止のため、配管内の水を抜く
- 復旧時は専門業者に点検を依頼
ポンプの停止対応 マンションなどでポンプが停止した場合:
- 貯水タンクの水を節約して使用
- 不要な水の使用は控える
- 復旧後は水質に異常がないか確認
応急処置時の注意点
安全の確保
- 作業前に必ず安全を確認する
- 滑りやすい場所での作業は特に注意
- 電気系統に水がかからないよう注意
- 一人で作業せず、可能な限り複数人で行う
限界を知る 応急処置はあくまで「一時的な対処」です。以下の場合は無理をせず、専門業者を待ちましょう:
- 大量の水漏れ
- ガス漏れの疑い
- 電気系統への影響
- 構造に関わる損傷
災害後の復旧時の注意
水道復旧時のチェック
- 蛇口をゆっくり開けて、水質を確認
- 濁った水が出る場合は、しばらく流してから使用
- 異臭がする場合は使用を控える
- 給湯器は専門業者の点検後に使用開始
配管の総点検 災害後は見た目に異常がなくても、配管にダメージを受けている可能性があります。専門業者による総点検を受けることをお勧めします。
日頃からの備え
定期的な点検
- 止水栓の位置と操作方法を確認
- 配管の状態を定期的にチェック
- 応急処置用品の準備と点検
- 家族全員で対処法を共有
業者の連絡先確保
- 信頼できる配管業者の連絡先を控えておく
- 24時間対応可能な業者を調べておく
- 地域の災害時対応について確認
能登半島地震の教訓
2024年の能登半島地震では、多くの配管被害が発生しました。私たちも復旧作業に携わり、以下のことを学びました:
早期の応急処置の重要性 適切な応急処置により、被害の拡大を防げたケースが多くありました。日頃からの準備と知識が、いざという時に役立ちます。
地域の助け合い 災害時は専門業者だけでは対応しきれません。地域住民同士の助け合いと、基本的な応急処置の知識が被害軽減につながりました。
最後に
災害時の配管トラブルは突然発生します。日頃から基本的な応急処置を覚えておくことで、被害を最小限に抑えることができます。
ただし、応急処置はあくまで一時的な対応です。安全が確保でき次第、必ず専門業者による点検・修理を受けてください。
私たちディッシュファシリティーズも、災害時の緊急対応を行っています。困った時はお気軽にご連絡ください。地域の皆様の安全と安心のため、全力でサポートいたします。
緊急時の心得:「慌てず、安全第一、早めの対処」
災害はいつ起こるかわかりません。今日学んだ知識を、ぜひご家族と共有し、いざという時に備えてください。
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